何度かお伝えしていますが、
筋連結・筋膜連結について私の考えをまとめたいと思います。
今回は『筋膜連結の螺旋』について。
螺旋についてイメージできますでしょうか?
実は、私は大学時代に建築学科で勉強していたこともあり、
螺旋階段のイメージが明確にわいてきます。
ぐるぐると回りながら上下に広がっていくのですね。
人間にはこの螺旋が重要な構成をしているのです。
例えば、
遺伝子の構造です。
上の螺旋階段のようなグルグルと巻きながら、
個々の核となるDNAがくっついているのです。
今回説明する筋膜の螺旋のつながりは、
人間の動きに大切な機能をもたらしてくれます。
この画像にも螺旋のつながりが描かれています。
本来もう少し細かいつながりがあるのですが、
わかりやすい画像なのでこちらで説明いたします。
左足から繋がっていく筋膜は、
右腕まで繋がっているのが確認できます。
運動や歩行を考えるとわかりやすいのですが、
反対側の腕と足が協調して動いているのです。
もし直線的な筋膜のつながりだけで、
人の身体が構成されているとしたら、
ロボットのような両手両足が同じに動く硬い動きになります。
螺旋構造のおかげで複雑な動きが可能になるのです。
私の経験的な所ですが、
日々の診療でも筋膜螺旋を感じることがあります。
膝などの痛みで筋肉などが強く緊張している患者さんは、
反対側上半身の動きも硬くなっているように見えます。
一部のい筋肉が緊張することで、
滑らかで自然な動きの連動性がなくなるのでしょう。
言い換えると、
痛みなどの影響で筋膜螺旋構造が破綻し、
正常な動きから逸脱してしまう。
ということは。
痛みを取り去る為には、
筋膜螺旋構造を正常に戻してあげる必要がある。
身体の自然な動きを取り戻してもらい、
痛みから解放される。
筋膜螺旋の治療は、
自然な身体の動きを取り戻し、
痛みから解放してくれる治療法につながるのです。
筋膜螺旋とは身体の表面から目で見ることが出来ないので、
頭の中でイメージすることが難しいです。
しかし、
何度も何度もイメージを繰り返し
患者さんを治療していると自然と螺旋が見えてきます。
(私は見えてきたように思います。)
この考え方は治療に携わっている人間だけでなく、
・スポーツ選手
・身体を動かす職業(介護職など)
・身体に興味のある主婦
すべての方に知っていただきたい。
人間の身体を理解することで、
自分の身体の動かし方が見えてくると思います。
負担のかからない身体の動かし方、
最高のパフォーマンス、
痛めない身体の使い方、
生きている上で役立つんじゃないでしょうか。
今回の話で、
少しでも身体に興味をもっていただけたら幸いです。
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